僕たちの行く先を阻むものは何一つとしてなかった
- 中村 尚
- 2018年6月11日
- 読了時間: 2分
ツバメの夫婦が自宅玄関の軒先に巣をこしらえ始めていた。
何だか縁起が良いなあと思って放置していたら、
いつの間にか合計4羽のツバメが軒先に陣取っている。
周囲を見渡せば、別の2羽がその付近の電線から
この物件を狙っている様子を確認できた。
比較的日当たりの良い僕の家は、
ツバメにとっては良物件なのだろうか。
しかし嫁にとってこの事態は良い知らせではないらしく、
ツバメの糞害を懸念し、巣の撤去に日々勤しんでいる。
女性はいつも現実的であり打算的だ。
話は変わり、先日、
モジプールXカンテランタンの浜千代館ライブの打ち上げをした。
昼間からビールを煽り、皆で焼肉を食べた後、
僕たちはなだれ込むようにカラオケに向かった。
それは、例えるなら朝起きた後、
部屋のカーテンを開けるくらいに自然な流れだったし、
僕たちの行き先を阻むものは何一つとしてなかった。
その頃には、
僕の中で記憶という概念がほとんどなくなっていたが、
ひとつだけ鮮明に記憶していることがある。
それは「みんな、歌めっちゃ上手やん!」と思ったことだ。
よくよく考えれば、
楽器一本でいきなりセッションし出す輩なんて、
世の中の人口比で考えると小数派だ。
音楽的な関わりのない人にとっては、
だたの異常者と感じる人もいるかもしれない。
普段から音楽仲間と接していると
通常あるべき感覚が麻痺してしまうのだが、
何らかの弾みでこの感覚が通常に戻ることがある。
今回のカラオケもそうだったし、
過去モジプールの音源を友人に聴かせたところ、
「ボーカル、2人とも歌上手ですね」と言われ、
思わず「ほんまや!」と叫んでしまったことがある。
総じて言えば、
僕もそのような修羅の道に足を突っ込んだ
異常者のひとりなのかも知れない。
「彼は血も涙もとっくに捨てたんですよ」と
一度は言われてみたいものだ。
BGM:崎山蒼志『眠りにつく前に』


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